キリン電波製造所

妄想小話を一日一つ書いていました。全てが全て虚構のお話です。

薫風

春の訪れはいつも匂いで感じ取る。

春の匂い。風の薫り。変化の季節。

ああ今年もまた春が来たと目眩がするほどの焦燥感に胸が焼き付けられるような、胸焼けがするような、そんな錯覚をいつも覚える。

まだまだ寒いねなどという隣人に警笛を鳴らしたい。

匂いませんか、春の薫り。奴はもうすぐそこに。